比較して人間とは何かを考える 人間科学の基礎T (田畑) 資料
(1)「比較する(compare)」という認識能力
・複数の対象をよく観察し、「同一」「類似」面と「差異」「対立」面に分ける。
・「差異」の面を副次的差異と本質的差異に分ける。
・本質的差異によってその対象の特徴、性質、構造を際立たせる。
・比較は、対象の内的構造認識や、この構造の生成の認識へと至るための出発点である。
(2)グループ討論
課題1 各人が個別に用紙の表に書く(20分)
人間と他の動物の比較(A)
人間と神の比較(B)
人間とロボットの比較(C)
子供と大人の比較(D)
男と女の比較(E)
現代人と前近代人の比較(F)
中国人と日本人の比較(G)
エリートと大衆の比較(H)
課題2 グループ討論(30分)
・一番若い番号の人から順に司会役
・順番に書いたものを読み上げ、ほかの人が質問、意見、自分との違いなどを言う
・全員が終わった後、一致点と対立点を確認し、用紙の裏に、対立した点、他者から学んだ点、課題として残った点を、整理して書く。
課題3 プレゼンテーション準備(10分)
・グループを代表して、前に出て結論(何が人間の本質的特徴か)、根拠、経過などについて説明する役を選ぶ。複数でも全員でもよい。内容や形式についても意見を出し合う。
課題4 プレゼンテーション(30分)
・A組から順に、グループの結論、根拠、経過、残された課題などについて報告する。ホワイトボードを利用する。
・報告についての質問を受け付ける。
判定 どのグループの報告がもっともよかったか、田畑が決める。
(3)比較のポイント(カッコ内は関連学問)
動物と人間 (動物行動学、考古学、哲学的人間学など)
@直立2足歩行するか A道具を製造・使用するか
B言語を話すか C理性や自由意志をもつか
D芸術や宗教をもつか
神と人間 (宗教学、哲学など)
@有限であるか無限であるか A自然法則に制約されているか
B悪を行うか C人間の(幻想の)産物であるか
ロボットと人間 (ロボット工学、情報科学など)
@自己決定するか A自己再生産するか
B学習するか C感情を持つか
D道具か目的存在か
子供と大人(発達心理学など)
@自立的判断能力(責任能力)の有無 A経済的自立の有無
B性的成熟の有無 C婚姻の有無
D中間期としての若者
男と女(ジェンダー論など)
@生理的な差異 A社会的分業上の差異
B化粧や衣装の差異 C支配と隷従の関係
D男女は平等か
現代人と前近代人(歴史学、文化人類学など)
@個人が自由な目的存在になっているか A共同体(部族、親族、村、家族など)が強いか
B貨幣経済や資本主義が発達しているか C民主主義があるか
D科学技術が発達しているか E世界が広いか狭いか
中国人と日本人(比較文化論、政治学、国際関係論など)
@政治体制の違い A人口や国土の違い
B戦争体験の違い C近代化の歴史の違い
D産業発展や豊かさの違い D文化的伝統の違い
エリートと大衆(歴史学など)
@エリートになる条件 A大衆がエリートに対してもつ複雑な感情
B大衆の特質 C権力や知名度
D大衆迎合と知的孤立主義