人間論ブレーンストーミング 人間論(田畑)資料 05春
人間についてのさまざまな「問い」
(1)人間は自然を超えた存在か
人間の本能(自然)的側面と、文化的側面はどのように統一されているのか
人間の内面(心)と外面(身体、行為、他者関係)はどういう関係なのか
人間は徐々に身体世界を忘却し、ヴァーチャルな世界へ移りつつあるのでないか
(2)人間は自由な存在か、それとも(構造やプログラムにより)決定された存在か
人間は精密な機械の一種だと言えるのか
ロボットは限りなく人間に近づくことができるか
(3)人間は進歩しているのか、変わらないのか、退化しているのか
人間は賢いのか愚かなのか
人間を動かしているのは道徳や正義でなく、権力への意志ではないか
なぜ人間は自分の創造物(神、技術、国家、資本、信念など)に支配されるのか
人間が人間を支配するということは克服可能なのか
先進地域の人間は未開地域の人間より優れていると言えるのか
人間はいかなる意味で平等で、いかなる意味で不平等か
(4)異文化間の衝突は克服可能なのか
人間はどうして同種間殺戮を繰り返すのか
人間に明るい未来はあるのか
人間は何が原因で絶滅するのか
人間は超人間へと進化するのか
(5)人間は社会的動物であるのになぜ孤独なのか
人生に意味などあるのか
実存(孤独、代替不能、絶望、決断)こそが人間存在の真実相でないのか
「私」とその周辺だけが実在するのであって、「人間」など単なる言葉ではないか
(6)人間は自分の姿に似せて神を造った(幻想した)という認識は正しいか
なぜ他の動物を食べることが人間に許されるのか
もし神が存在しないならば善を行った人間が幸福になる保障はどこにあるのか
(7)人類史において「現代」はどのような意味で特別な時代だと言えるのか
人間はロボットや他の動物とどこが違うのか
最終的に、人間らしさ(humanity)とは何を意味するのか
U 問題
上の「問い」から一つを選び、自分の人間論を書きなさい
シラバス
(1)講義内容
「人間とは何か」を問うということは、人間の自己了解の営みにほかなりません。個人が、そしてまた人類が、岐路にさしかかっているとき、この問いはそれだけ切実に問われるのです。
我々は今日では、観察や調査や実験や統計にもとづく<実証的人間研究>(生命諸科学、人類学、言語学、考古学、歴史学、心理学、精神医学、社会学など)の膨大な成果をもっております。ただ、これらの実証研究には専門的狭さや総合への無関心も随伴しています。そこで、この講義では、最新の実証研究をふまえつつも、人間科学の総合モデルを志向しつつ、現代的地平で、あらためて「人間とは何か」問い直してみたいと思います。
キーワードは、人間の自己了解、人間科学の総合モデル、鳥の目と虫の目、です。
(2)講義方法
@毎時間プリントを配布。講義は必ずしもプリント通りではないので、ノートもとるようにしてください。
A毎時間、その日のテーマに関わる宿題を出し、700字程度で自分の考えをまとめてもらう。これは理解度を知るための小テストであると同時に、議論の双方向性を確保するためでもあります。
B翌週の最初に、復習を兼ねて何人かにプレゼンテーション(前に出て発表)をしてもらいます。
(3)学習上の注意 座席を指定する。
(4)評価方法 毎回の小テスト、期末のテスト、出席点、プレゼンテーションを合計して評価します。日常点の比重はきわめて大。
(5)学生への要望 質問があれば、遠慮なく研究室へ来てほしい。延長戦で議論をしましょう。どこからでもかかってきてください。
(6)年間計画
導入
(1)人間論の問い(ブレーン・ストーミング) (2)人間論の名言に学ぶ(ブレーン・ストーミング)
人類
(3)人類史700万年鳥瞰 (4)人類史における近代(科学、資本主義、国民国家、中心周縁構造)
(5)21世紀と岐路に立つ人類
アントロポピノン(人間の特徴)
(6)直立する人間(直立、手、脳、喉頭、成獣化) (7)工作する人間(環境・道具・労働・文明)
(8)話す人間(言語、文字、電子メディア) (9)社会的動物としての人間(共同体、権力、交換)
個人
(10)日常生活世界 (11)パーソナリティー(「私」)の構造と生成
(12)実存(代替不能、単独者、死すべき存在)
まとめ
(13)神・動物・ロボット、そして人間